2024年 08月 17日
義母の新盆も無事終り ほっと一息ついているところです。 上は5月に縫ったストール。 なにか作りたくて古着の箱を探したら 義母の木綿のブラウスと夫の麻のシャツが出てきた。 色も風合いも相性がよさそうだったので それぞれ切ってちくちくつないでストールに。 これから肌寒くなってきたら愛用したい。 これは先日作ったコースター。 手持ちのものがくたびれてきたので 会津木綿のはぎれで手縫いしました。 色合わせが楽しくてどんどん作って、さて、とりあえずこんなところかな。 コースターは小さめが好きですが 最初に作ったものがちょっと小さすぎたか、と あとは9センチ角で。 こちらは裏。どちらでも使えますが。 会津木綿は手触りがしゃきっとして、色味は古風ながらどこかポップで、好きな布です。 SNSに載せたら妹が気に入って注文が入りました。 友だちにプレゼントしたいからというので、新しく作った。 ミシンがないのでいつもながらの手縫いです。 目がショボショボして縫い目が不揃い。角もちゃんと出てない。 クオリティ的に今回はお代はいただけないですよ。 一応送りましたが、果たしてひとさまに差し上げられるのか……。 で、よくわかったことがある。 昔は織ったり縫ったりした小物を販売したり、注文を受けて作ったりしていました。 当時は目も指先も今よりもうちょっとマシだったと思う。 今はどんなに注意してもまっすぐ縫ったり細かい部分をシャープに処理したり、ができないのです。 というより、もともとそんなにちゃんとできないのです。 不器用なものをよく買ってくださったものだと今更ながら冷汗が出る。 私はただ楽しく自分のためにラフなものづくりをすればいいんだな。 自然素材でザルやカゴを編んでちゃんと販売もしている夫からは 「売れるもの作ってみろ」と笑われていますが。 早起きしたら山ぶどうの若い葉に朝露。 若いころ、なんで年寄は早くから起きてごそごそやってるんだろう、寝てればいいのにと思ったものだけど 寝てられないんですね、よくわかった。 まだまだ暑いけれど山は秋の気配。 季節がいずれは夏と冬だけになってしまうんじゃないかと心配ですが どうかそうはなりませんように。 涼しくなったら、また何か好き勝手なものを作りたいと思います。 #
by notebook_59
| 2024-08-17 14:05
| 布つなぎ
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2024年 03月 28日
3月11日、義母が他界しました。98歳、大往生です。 義母の望み通り、自宅での介護、看取りが叶ったのは 在宅医療の大きな支えがあったおかげです。 年を越せないかもしれないと言われましたが一緒にお正月を迎えられ 2月の誕生日もお祝いできました。 今月に入ってからはもう時間の問題と覚悟しましたが 「オレ、ボケたー」と言ったあと 三日三晩、ほとんど休まずに義母は見えない人たちと会話し続けました。 「ありがとうございましたあ!」と何度も繰り返したのちふっつりと口を閉じ 話しかけると頷いたり微笑んだりしてくれました。 亡くなった義母の顔は若い看護師さんも羨ましがるほどきれいで お化粧をする必要もありませんでした。 おだやかな、本当にきれいなお顔でした。 これは義母が元気だった頃、ベッドに起き上がって編んでいたアクリル毛糸の食器洗いを つないで大きくしたものです。 60枚のモチーフをつないで、90×117センチになりました。 「なんだ、台所で使わなかったのか」と 義母に渋い顔をされそうです。 でも、なんて可愛らしいのでしょう。 目がよく見えないからと明るい色を好んで編んでいたのです。 この冬は義母を見守りながら 古い木綿を手縫いでつないで風呂敷を作りました。92×94.5センチ。 にぎやかな表とシンプルな裏。 これらの布は、義母からもらったものです。 昔の布団はこんな色柄でした。 葬儀から2週間たち、人の出入りも少なくなってきた今もまだ 気持ちの置きどころというのでしょうか、そわそわして定まらず 何か手を動かしていると落ち着くのです。 穴の開いたストールや靴下をダーニングという手芸で繕ったり 義母の古い着物をほどいて洗い、アイロンをかけて整理したり 手拭いで布巾を作ったり。 ちいさな手仕事はこころをやわらかく受けとめてくれて、いいものです。 夫の家で義母と一緒に暮らして20年。 いろいろなことを経て今ここに着地できたこと その年月の重みに心から感謝しています。 おかあさん、ありがとうございました。 3月に入って降り積もったひと冬ぶんの雪も、ようやく消えはじめました。 春の日差しが嬉しい。 ゆっくり、広い空を眺めています。 #
by notebook_59
| 2024-03-28 13:49
| 布つなぎ
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2023年 12月 29日
今年もまもなくおしまいです。 このブログはすっかりご無沙汰でしたが 覗きにおいでくださったみなさま、ありがとうございました。 一応「創作ノート」としているので この一年に作ったものを載せておきます。 会津木綿のはぎれを手縫いでつないだランチョンマット。 裏地は浴衣地を利用しました。28×48センチ。 穿かなくなったデニムのワイドパンツを切った土台に 色々な布のはぎれを並べて縫いつけたもの。 何に使うという目的もなく、何にでもなりそうです。32×55センチ。 小学1、2年生のワークショップでクリスマスオーナメントを作りました。 割箸で星、三角、十字など枠を作っておき 子どもがめいめい好きな毛糸を巻きつけます。 これは見本として作ったもの。 雪の前に歩いて見つけた野イバラ、ヘクソカズラ、アオツヅラフジなど 山の恵みのリース。 今年、手で作ったものは以上だけ。 膝の痛みが悪化して一時は歩けなくなりましたが 今は杖なしで歩けるまでに回復しました。 しゃがんだり長く歩いたり立っていたりは無理になりましたが これまで何の不自由もなくできたことができなくなる経験をして よかったなあと思います。 6月、97歳の義母に食道がんが見つかりました。 高齢のため治療はせず、できる限り口から栄養がとれるよう 内視鏡でステントを2度入れました。 病と並走するように老いも進んでゆき 最近は食欲自体がなくなってきました。 自力移動も難しくなり、在宅医療に切り替えました。 義母のために様々なプロの力を借りて 家で看取りをするつもりです。 義母のおかげで肚が据わったというか、心が強くなったように思います。 遠方の母が元気でいてくれること きょうだいが支えてくれていることも幸いです。 思いがけない様々なことのあったこの一年の日々に感謝しています。 もっとも願うのは世界の子どもたちのこと。 絶えない争い、子どもたちの命が奪われることが 一刻も早くなくなりますように。 大人が成長した人間となりますように。 今年もありがとうございました。 よいお年をお迎えください。 #
by notebook_59
| 2023-12-29 14:32
| その他
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2023年 04月 09日
本日4月9日。 朝、窓を開けると、なんと雪でした。 咲きはじめた庭の桜もご覧の通り。 季節はずれの雪はしばらく降ってやみ、あとはきれいな青空が広がりました。 辺りを真っ白にした雪はまもなく消えましたが 寒くて暖房をつけっぱなしの一日でした。 今日はイースター、キリスト教の復活祭です。 今年もイースターエッグを作りました。 子どもの頃、教会学校できれいなイースターエッグをもらったことを思い出します。 もらった卵はゆで卵だったような。 私は卵に穴を開け、中身を出して乾かしてから絵を描きます。 吊るすリボンをつけようと殻の天井にも穴を開けたのですが 中心がずれてしまってちょっと失敗。 来年はもっと工夫してみましょう。 去年のものと一緒に。 先日、NHKのディレクターとして日本で働いている ウクライナ出身の女性のドキュメンタリーを見ました。 彼女が自分の番組でウクライナ人としての思いを伝えようとしたとき その中の「勝利」という言葉に上司が待ったをかけたのです。 日本人には、「平和」は戦いのない状態であるというイメージ、考え方がある。 けれど彼女は「ウクライナの歴史は様々な国からの支配の歴史。勝利しなければウクライナに平和はない」と言います。 「このことが日本人にはなかなか伝わらない」と。 先日亡くなった坂本龍一さんは 「他国を侵略することが許されるはずがない。 人間は自由であるべきで、その自由を奪う権利は誰にもない」ということを 折に触れ伝えていました。 作家の大江健三郎さんも、同じことを言っていました。 音楽や文学など表現することと、社会的な発言は、当然つながってくるもの。 それぞれの分野で人々の心に深く響くものを遺した方たちの 魂を揺さぶる「NO!」の声を引き継いでいかなくては。 昨年もウクライナを思いながらイースターを迎えました。 一年後の今も、まだ平和は遠い。 ウクライナに、世界中で長く続く紛争地に、どうか早く平安が訪れますように。 そうして大きなものに巻き込まれたり、騙されたりしないように 目を見開き、耳をすませていなければと思います。 #
by notebook_59
| 2023-04-09 19:56
| らくがき
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2023年 02月 03日
ようやく節分を迎えました。 毎年1月は一年でもっとも長く感じる月です。 暮れから続いた正月も、1月15日の小正月を以てお仕舞い。 14日には団子をミズキに刺して、豊作を祈る予祝い行事も無事すみました。 寒さも雪もまだまだ気が抜けません。 でも、日は長くなりました。立春を境に、空も明るくなっていくでしょう。 短歌の結社に毎月、十首を送っています。 選者によって五首から八首が選ばれ、結社誌に掲載されます。 今年の最初に、初めて九首とっていただきました。 銀婚の旅がいっそうよい記念となりました。 ** きっちりと行程表を作成す在職中の顔して夫は 参拝を終えて入しり一軒め伊勢のうどんに手を合わせ食む 波の音連れ帰るため見つけたりベビーパールのピアスの光 多治見とは坂多き街たちどまり立ち止まりゆく老人ふたり なんとなく砂丘のごとき美濃焼のカップを夫が選びてくれぬ 軒先にしゃがむ老人おいてきたひとのことなど話しつつ過ぐ 暮坂の峠を越える牧水も慰められしか岩菲(がんぴ)咲きおり 銀婚の旅の最後はそれぞれに選ぶ弁当スーパーに買う 一週間預けし義母を迎えれば荷物を解きて日々の始まる (『塔』2023.1月号 山下 洋 選) ** 短歌結社に入って4年目を迎えます。 歌会や講座などに直接出かけていくことは難しいですが オンラインが導入されてからずいぶん参加できるようになりました。 ですが、最近はそれも難しくなってきました。 やりたくても無理だとあきらめるのか 無理を通してでもやりたいから譲れないと思うのか。 なかなか難しいところです。 そう迷えるだけ、恵まれたところにいるのだと思います。 戦争の続いている国や弾圧の厳しい国では 言葉はどこにあるのだろう。 絵は、音楽は、どこにあるのだろう。 早く早く、明るい春がきますように。 雪が消えて世界に色彩が溢れますように。 竦むような寒さが緩み 世界中でやまない戦いがすべて終り 笑顔になれる季節よ、早く、来い。 #
by notebook_59
| 2023-02-03 00:15
| 短歌
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