人気ブログランキング | 話題のタグを見る

試作

試作_d0395079_09095639.jpg

日中もあまり気温が上がらなくなり、半袖はすべてしまいました。
早起きの夫はストーブで焼き芋を作ってくれます。
畑では白菜や大根がすくすく成長中。これは白菜。


来月、子どもたちとワークショップをするのでそろそろ準備を始めています。
毎年この時期に、地域の人たちが先生となり
絵や木工、地域探検などの課外授業を小学1、2年生合同で行っています。

私はダンボールを使った織物を担当。
年によって子どもの人数は違いますが、多くても16人ほど。
今年は11人、一年生はふたりだけという小さな山の学校です。

毎年、ひとりかふたり、特に手先が器用だったり創造力が豊かだったりする子がいて
そういう子たちは一度聞くと理解して、すぐ自分の作品にとりかかり
あっという間にいくつも独創的なものを仕上げてしまいます。

一方、手先を使うことの苦手な子や、ものつくりに興味のない子は
思うように作れずいらだったり、最初からやる気になれず遊んだり。
「たすけてほしいひと~」と呼びかけると
元気に手を挙げる子、おずおずと顔をあげる子、ちょっと手助けするだけで
あとはたいてい、自分で最後まで作り上げます。
四角いコースター、ポシェット、ネックウォーマー、クリスマスの飾りなど
年によって様々なものを作ってきましたが
毎回、子どもたちが喜んでくれて嬉しい。

今年は、初めて丸いコースターを作ってみようと思います。
試作してみたら結構いいかな。直径10センチ。使っているのは毛糸です。↓


試作_d0395079_09342588.jpg

<丸いコースターの作り方>

1.タテヨコ15センチの四角のダンボール板を作る。
  (四角だと角型のコースターも作れます)
2.各端から2センチあけ、あとは1センチきざみに印をつける。
3.補強のため、四辺の表から裏にかけてぐるりとテープを貼る。
4.印のところにハサミで切り込みを入れる。
5.印ひとつおきに、毛糸を対角線に渡していく。(ダンボールの表から裏へと)
  始めと終りは裏にテープで止めておく。(右)
6.表側の一箇所を2本まとめて端でしばっておく。(左)
  (1本ずつ交互にすくっていくので奇数にする)


試作_d0395079_09213244.jpg
試作_d0395079_15261313.jpg




試作_d0395079_09224879.jpg

7.中心から好きな糸で1本おきにくぐらせぐるぐる織っていく。
  色を替えるときは前の糸に数センチ重なるように。


試作_d0395079_09230793.jpg

8.織り終ったら、ダンボールの裏で糸を切る。
  2本ずつ引き出して堅結びにしていく。


試作_d0395079_09244876.jpg

9.周りの糸を全部結び終えたら、適当な長さに切って出来上がり。

大人はかぎ針などを使って裏側に入れ込んでもいいですね。
今回は子どもが自分で結んで仕上げます。

試作_d0395079_09250183.jpg

ちょっとふちを持ち上げると、こんなふうに丸みが出て可愛い。

大きさを変えたり、リボンやひもでつないだりすれば飾りにもなりますね。

こんなささやかなものでも、久しぶりに手を動かして作るのが楽しくて夢中になりました。
子どもたちにも、上手にできるかどうかではなく
自分の手を使って何かを作る楽しさと、できあがったものを使う喜びを味わってほしいなあ。
多くの子どもたちが、作ったものをお母さんや家族にプレゼントしているのも素敵。
みんなに会うのが楽しみです。




# by notebook_59 | 2025-10-15 10:55 | 子どもと遊ぶ | Comments(10)

つまらないはなし

つまらないはなし_d0395079_14243069.jpg

 綿の花  同じアオイ科のオクラの花とそっくり
                           ↓
                         
つまらないはなし_d0395079_14411287.jpg





つまらないはなし_d0395079_14264630.jpg

綿の実 花がしぼんだあとどんどん大きくなる





つまらないはなし_d0395079_14270330.jpg
 
       実がはじけて白い綿が飛び出す(右上)綿の中に種がたくさん入っている
       種にはみっしりとわた毛がついていて、わた部分(左)をはずすのが大変



鉢植えのワタの木からめでたくワタがとれました。
ふわふわでずっとなでていたいぐらいやわらかい。
残りの実がすべてはじけても小箱八分目ほどのワタしかとれませんが
これで糸をつくってみたい。
種のほうはよく乾かして冷蔵庫で春まで保存、来年、雪がとけたら蒔いてみよう。

と、ワクワクしながら計画を喋っていたら
夫が覗いて「あああ、どうするんだ、そんなに種とって」とためいきをつくのです。
大丈夫、あなたには迷惑かけません、私がひとりで育てます!

ワタの話はここまで。

洗濯物を取り込みながら、夫の作業ズボンの異変に気がついた。
股の部分が前から後ろまでかなりの長さに裂けている。
そしてそこを太い糸で縫ってある。
夫が自分で繕ったのです。いつのまに。

驚かなかったのは、夫が日常的にやっている作業だからです。
昔、職場で履いていたサンダルが破れたときも
自分でぐしぐしと縫ったひとです。バッグも縫ってあったことがある。
高価なものは嫌いなたちなので、いずれも手ごろなものなのです。
大切な思い出の品というわけでもない。
ただ、なんでもまず自分で直してみたいし、もっと言えば、ボロが好きなのです。
さすがに外に出るときは最低限ちゃんとしていただきますが
家ではそれまだ捨てないの、と呆れるような着古したTシャツを平気で着ています。

さて。
その夫が手縫いで繕った部分を、私はミシンで縫ってあげたいと思いました。
最近やっと購入したミシンです、しかも夫が買ってくれたのだし
これできれいに丈夫にしたらきっと喜ぶはず。
ミシンなのであっという間にできて、夫に見せに行きました。

すると夫は「それどうでもいいヤツだからどうでもいいんだ」と言う。
むしろちょっと不機嫌そうなので、喜ぶと思いこんでいた私はがっかり。
正直なところ、「ありがとう」と言ってくれると思っていたので
なんだかだんだん腹が立ってきた。
急に口数の減った妻を気にも留めず、夫はいつも通りさっさと寝てしまいました。

夜遅く、あっと気づきました。
なぜ夫に確認せずに縫い直してしまったんだろう。
一所懸命縫ったところを勝手にほどかれたら、誰だっていい気持ちのするはずがない。
ああ、私のひとりよがりだった、ばかだった。

翌朝、昨日は勝手に縫ってごめんなさい、と謝ると
「なんだ、つまらない。
どうでもいいズボンだから自分で縫っただけで
ミシンだったらなおいい、またしばらく穿ける」

つまらない、ですって!?
だったら昨日、そう言って喜んでくれたらよかったのに。
今回も私がひとりで勝手に怒ったり反省したりしていただけという
つまらないはなしにおつきあいくださいましてありがとうございました。

本日の創作(?)はワタの種取りと夫のズボンの繕い。


つまらないはなし_d0395079_15531420.jpg
               花豆の花 今年は実がひとつもならない




# by notebook_59 | 2025-09-13 16:02 | その他 | Comments(14)

なんのために

なんのために_d0395079_14501852.jpg



さびしさはポケットに入れきしきしとかんじきに踏む明け方の雪

隣家まで雪踏み均す日課なり一軒抜けて道は途絶えつ

除雪機の音絶えてのち廃村のごとき静けさ ただ降りしきる

だんだんと早まる夕餉二日目の白菜鍋に餅を入れたり

笊を編む夫の部屋には二、三人誰かいるごとラジオの笑い

つかのまの光たっぷりすくうため寒中に干す新しき笊

たいせつなピンクと黄色ウォーホルを寒中見舞いにあなたへ送る

雪晴れのポストへのみち消雪の水をよけたり浴びたりしつつ

                    「塔」2025.4月号 新樹集 吉川宏志選




これは所属している「塔短歌会」に掲載された私の短歌です。

毎月、十首を「月詠」として提出すると

選者がその中から選び、3か月後の誌面に掲載されます。


結社によっては一人の歌人に師事するかたちで選者を選ぶところもありますが

この「塔」では固定の選者を決めず

14名の選者の誰に選ばれたかは毎月、誌面で初めて知ります。

結社の会員なので必ず掲載されますが

悩ましいのはその「場所」です。


選者ごとの頁は二つの鍵のイラストによって3つに分けられており

そのイラストの前後に置かれていれば、その月の優秀歌。

イラストの内側にあればそれ以外。

いわゆる「鍵外」「鍵内」と呼んで、「今月は鍵外(鍵内)だった」と

SNSで一喜一憂したりする。


あくまでも自分の歌づくりの励みにし

ほかの歌から勉強するための位置づけなのに

やはり鍵イラストの内側にあるとガッカリする。


冒頭の短歌は、久しぶりに結社誌全体から選ばれる頁におかれていたので

天にも昇る心地でしばらく一人でニヤニヤしてしまいましたが

その次の号では「鍵内」で、あーダメだー、となりました。


結社に入ったのは、コロナ禍のためZoomで歌会をしていた頃。

当初は楽しくて刺激があって前のめりでやる気一杯だったのが

ここしばらくは他の歌人と話すのが苦痛になってしまいました。

何もわからない頃は好き勝手な感想を自由に言っていましたが

短歌ってそんなもんじゃないぞ、ただの感想じゃなくて「評」をしたまえ、

などと聞いたり読んだりするうちに

いや、まてよ、これってものすごく負担なんですけど。


小学校時代からのツケというのか

昔から何を見ても「好き」「いい」しか出てこないので

読書感想文は死ぬほど苦手だったし

それは今もまったく変わってないんだな、成長してないんだなというのを

この歌会で久々に突きつけられることになったのでした。

「人の歌をうまく読めるようになると自分の歌も上達する」といわれれば

もう絶望的です。


歌会に参加して色々な人とやりとりすれば

わずかずつでも成長できるかもしれない。

対面でできるようになってからは宿泊先を予約して準備しているのに

当日が近づくと体調が悪くなってキャンセル。

それを何度繰り返したことか。


           173.png


たかが趣味でなんでこんなに悩むのかわかりませんね。

最近は歌もなかなかできず、月詠十首も大変になってきました。

中には時々月詠の提出をお休みする会員もいるようですが

私には、この「休む」っていうのがとても難しいのです。

ひとたび休んでしまったら、もう復帰できない、と思うわけです。

できたとしても、休んでしまった事実がイヤなのです。

毎月十首出す、何がなんでも出す、決めたら休まない。

この滑稽なカンペキ主義が自分の首を絞めていることは承知しています。



「だったらやめればいいじゃないか」

夫ならきっとそう言うでしょう。命とられるわけじゃなし、と。

そもそも、夫は私の短歌はもちろん、

毎月ウェブサイトに書いている短いエッセイも

もっと言えばラインの「ついでに牛乳買ってきて」もなんにも読みません。

妻が何にもだえ苦しんでいるのか夫には想像もできないでしょう。


書いているうちにだんだん話がズレてきましたのでこの辺で終わりにします。


短歌は、今月もなんとか十首、提出する所存です。


                 


# by notebook_59 | 2025-05-31 15:09 | 短歌 | Comments(8)

イースターエッグ

イースターエッグ_d0395079_09375430.jpg

4月20日はイースターでした。
キリストの復活を祝う日です。
新しく生まれる、よみがえりの意味をこめて卵はイースターのシンボルです。



2年前のイースターは雪でした。



いつもは殻に絵を描いていましたが
ふと思いついて、今年は布を張ってみました。
薄くて柄のきれいなはぎれがちょうどあった!

イースターエッグ_d0395079_09425906.jpg

一枚の布に赤・黄・青・緑・桃色などの花や水、鳥や蝶などが描かれて
なにより生地の薄さが丸い卵に貼り付けるのにぴったり。
知り合いの年配の方が「いつか何か作ろうと思ってとっておいたけどもう無理だから」と
子どもの着物などをほどいてきれいに整えた古布をひと箱くださったのです。


イースターエッグ_d0395079_09470676.jpg

子どもの頃、教会でもらったイースターエッグは
ゆで卵の殻に模様のシールを貼ったものだったような記憶があります。
今はどうなのか、教会から遠くなってだいぶたつのでわかりませんが。
私は生卵のお尻に小さい穴をあけて中身を取り出した殻に装飾します。

去年は義母が亡くなったばかりで落ち着かず、殻だけにするところまで。
その殻を使って今年もイースターエッグを作ることができて嬉しい。


大国の大統領たちは教会に行ったり食前の祈りを捧げたりしていますが
誰のために何を祈っているのか。

もっとも困難なもっとも弱い人たちのために
ささやかな力を差し出すことを忘れずにいられますように、と祈るイースターです。




# by notebook_59 | 2025-04-21 10:51 | 布あそび | Comments(4)

この冬の思い出

この冬の思い出_d0395079_13505209.jpg


長い長い冬もようやく終りを告げたようです。
朝、野鳥のさえずりで目が覚めるようになりました。
上の写真は2月21日のわが家付近。
忙しい夫が隙間を見つけては除雪してくれたおかげで
車の入れる道ができました。


この冬の思い出_d0395079_13552009.jpg



この冬の思い出_d0395079_13554023.jpg


玄関前からお隣さんまでは私の担当です。
除雪の場所がなく雪掻きができないので、長靴にカンジキをつけて日に何度も踏む。
だんだん勾配がきつくなるので階段も増えていきました。



この冬の思い出_d0395079_14011665.jpg

ひと月近く運休していた在来線の只見線がようやく再開。
雪の壁から突き出た枝がビシビシ車体を叩いていく。
久しぶりの車窓からはハクチョウ、キジ、タカなど珍しい野鳥に会えました。
雪解けが始まり餌探しに里に下りてきたのでしょう。

さあ、私も行くぞ!

この冬の思い出_d0395079_14202096.jpg


2月に東京で所用があり、僅かな時間しかとれないけれど
そのときに見ようと予定していたのです。
雪で行けなくなりあきらめがついたのでしたが
只見線が動いたとあらばじっとしてはいられません。
このためだけに東京へ行くのは贅沢だなと迷いましたが
どうしても見たいので思いきって行って、本当によかった。


この冬の思い出_d0395079_14032099.jpg

これはミュージアムショップで購入したマグネット。
ほかに「さしみをとったあとのカレイ」を妹のプレゼントに。


なんでも実物を見るのが一番いいに決まっていますが
宮脇綾子さんの作品をじっくり見ながらそのことを改めて思っていました。
素材の質感や糸の太さなどはもちろん、立体感や縫うリズムなど
印刷物ではおそらくわからないことを目でよく確かめることができました。
中には鉛筆の跡がそのまま残された布を使った作品もありました。
対象を「よく見た」作家の目が、決して神経質ではなく、
むしろおおらかな遊び心やユーモアに溢れていること。
身近なものに美を見出すセンスと表現する力の強さはもちろん、
子どものような大胆さと夢中で好きなものに向かっていることの楽しさが伝わって
こんなに多くの人々の心を惹きつけるのだろうと思いました。


布選びにもその良い目が活かされて、貴重な布を求めて骨董店を訪ねることもあったとか。
手元にあるもので作ることを自分のものづくりの根っこにおいている私にとって
作品のためにもっとも必要なものは何かとあらためて考える機会となりました。
いえ、作品のために、というのがそもそも私にはないのかもしれない、とも。


東京で生まれ長く暮らしたのに、最近は行くだけで疲れてしまい
展覧会だけ見てすぐ福島県に戻りました。
つまり、東京駅から外に出ていない。
郡山、会津、そして奥会津へと列車を乗り換えてゆくにつれ
ああ帰ってきた、とほっとしている自分が可笑しくなりました。


この冬の思い出_d0395079_16060779.jpg

冷蔵庫のマグネットコレクション。
旅先の様々な思い出がよみがえります。

雪解けが進み土が広がっていきます。いよいよ春。
身体をもっと鍛えて、今度は夫と遠くへ行ってみたい。





# by notebook_59 | 2025-03-16 16:15 | その他 | Comments(12)

つくったものの記録 (c) 2021 notebook All rights reserved.


by Notebook
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30