2023年 12月 29日
今年もまもなくおしまいです。 このブログはすっかりご無沙汰でしたが 覗きにおいでくださったみなさま、ありがとうございました。 一応「創作ノート」としているので この一年に作ったものを載せておきます。 会津木綿のはぎれを手縫いでつないだランチョンマット。 裏地は浴衣地を利用しました。28×48センチ。 穿かなくなったデニムのワイドパンツを切った土台に 色々な布のはぎれを並べて縫いつけたもの。 何に使うという目的もなく、何にでもなりそうです。32×55センチ。 小学1、2年生のワークショップでクリスマスオーナメントを作りました。 割箸で星、三角、十字など枠を作っておき 子どもがめいめい好きな毛糸を巻きつけます。 これは見本として作ったもの。 雪の前に歩いて見つけた野イバラ、ヘクソカズラ、アオツヅラフジなど 山の恵みのリース。 今年、手で作ったものは以上だけ。 膝の痛みが悪化して一時は歩けなくなりましたが 今は杖なしで歩けるまでに回復しました。 しゃがんだり長く歩いたり立っていたりは無理になりましたが これまで何の不自由もなくできたことができなくなる経験をして よかったなあと思います。 6月、97歳の義母に食道がんが見つかりました。 高齢のため治療はせず、できる限り口から栄養がとれるよう 内視鏡でステントを2度入れました。 病と並走するように老いも進んでゆき 最近は食欲自体がなくなってきました。 自力移動も難しくなり、在宅医療に切り替えました。 義母のために様々なプロの力を借りて 家で看取りをするつもりです。 義母のおかげで肚が据わったというか、心が強くなったように思います。 遠方の母が元気でいてくれること きょうだいが支えてくれていることも幸いです。 思いがけない様々なことのあったこの一年の日々に感謝しています。 もっとも願うのは世界の子どもたちのこと。 絶えない争い、子どもたちの命が奪われることが 一刻も早くなくなりますように。 大人が成長した人間となりますように。 今年もありがとうございました。 よいお年をお迎えください。 #
by notebook_59
| 2023-12-29 14:32
| その他
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2023年 04月 09日
本日4月9日。 朝、窓を開けると、なんと雪でした。 咲きはじめた庭の桜もご覧の通り。 季節はずれの雪はしばらく降ってやみ、あとはきれいな青空が広がりました。 辺りを真っ白にした雪はまもなく消えましたが 寒くて暖房をつけっぱなしの一日でした。 今日はイースター、キリスト教の復活祭です。 今年もイースターエッグを作りました。 子どもの頃、教会学校できれいなイースターエッグをもらったことを思い出します。 もらった卵はゆで卵だったような。 私は卵に穴を開け、中身を出して乾かしてから絵を描きます。 吊るすリボンをつけようと殻の天井にも穴を開けたのですが 中心がずれてしまってちょっと失敗。 来年はもっと工夫してみましょう。 去年のものと一緒に。 先日、NHKのディレクターとして日本で働いている ウクライナ出身の女性のドキュメンタリーを見ました。 彼女が自分の番組でウクライナ人としての思いを伝えようとしたとき その中の「勝利」という言葉に上司が待ったをかけたのです。 日本人には、「平和」は戦いのない状態であるというイメージ、考え方がある。 けれど彼女は「ウクライナの歴史は様々な国からの支配の歴史。勝利しなければウクライナに平和はない」と言います。 「このことが日本人にはなかなか伝わらない」と。 先日亡くなった坂本龍一さんは 「他国を侵略することが許されるはずがない。 人間は自由であるべきで、その自由を奪う権利は誰にもない」ということを 折に触れ伝えていました。 作家の大江健三郎さんも、同じことを言っていました。 音楽や文学など表現することと、社会的な発言は、当然つながってくるもの。 それぞれの分野で人々の心に深く響くものを遺した方たちの 魂を揺さぶる「NO!」の声を引き継いでいかなくては。 昨年もウクライナを思いながらイースターを迎えました。 一年後の今も、まだ平和は遠い。 ウクライナに、世界中で長く続く紛争地に、どうか早く平安が訪れますように。 そうして大きなものに巻き込まれたり、騙されたりしないように 目を見開き、耳をすませていなければと思います。 #
by notebook_59
| 2023-04-09 19:56
| らくがき
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2023年 02月 03日
ようやく節分を迎えました。 毎年1月は一年でもっとも長く感じる月です。 暮れから続いた正月も、1月15日の小正月を以てお仕舞い。 14日には団子をミズキに刺して、豊作を祈る予祝い行事も無事すみました。 寒さも雪もまだまだ気が抜けません。 でも、日は長くなりました。立春を境に、空も明るくなっていくでしょう。 短歌の結社に毎月、十首を送っています。 選者によって五首から八首が選ばれ、結社誌に掲載されます。 今年の最初に、初めて九首とっていただきました。 銀婚の旅がいっそうよい記念となりました。 ** きっちりと行程表を作成す在職中の顔して夫は 参拝を終えて入しり一軒め伊勢のうどんに手を合わせ食む 波の音連れ帰るため見つけたりベビーパールのピアスの光 多治見とは坂多き街たちどまり立ち止まりゆく老人ふたり なんとなく砂丘のごとき美濃焼のカップを夫が選びてくれぬ 軒先にしゃがむ老人おいてきたひとのことなど話しつつ過ぐ 暮坂の峠を越える牧水も慰められしか岩菲(がんぴ)咲きおり 銀婚の旅の最後はそれぞれに選ぶ弁当スーパーに買う 一週間預けし義母を迎えれば荷物を解きて日々の始まる (『塔』2023.1月号 山下 洋 選) ** 短歌結社に入って4年目を迎えます。 歌会や講座などに直接出かけていくことは難しいですが オンラインが導入されてからずいぶん参加できるようになりました。 ですが、最近はそれも難しくなってきました。 やりたくても無理だとあきらめるのか 無理を通してでもやりたいから譲れないと思うのか。 なかなか難しいところです。 そう迷えるだけ、恵まれたところにいるのだと思います。 戦争の続いている国や弾圧の厳しい国では 言葉はどこにあるのだろう。 絵は、音楽は、どこにあるのだろう。 早く早く、明るい春がきますように。 雪が消えて世界に色彩が溢れますように。 竦むような寒さが緩み 世界中でやまない戦いがすべて終り 笑顔になれる季節よ、早く、来い。 #
by notebook_59
| 2023-02-03 00:15
| 短歌
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2023年 01月 27日
うさぎを描いた小さい木綿地が見つかりました。 今年は卯年、ちょうどいい。 壁の少ない家なのでとりあえず玄関に。 ランチョンマットにもよさそうです。45×33㎝。 ちょっと歪んでますね… ちくちくステッチも少し入れて。 裏地は古い絣を接ぎました。 春に開かれる地元の工芸品展に出品することを目標にして 毎冬大きなものを作ってきましたが もういいかな、と思うようになりました。 気の向くままに。 10年に一度の大寒波といわれ、各地に交通被害などが出ているようですが。 こちらは今朝の積雪130㎝ほどで、豪雪地としては例年並みです。 でも、降らないと安心しているといきなりドンと降って 寒さも厳しいのでやっぱり冬は大変です。 たまに空が明るくなったり 道の雪が消えて出かけたりできる日は 本当に嬉しいものです。 節分まであと一週間。 翌日は立春。 まだまだ寒さも雪も続くでしょうけれど 小さな楽しみやきれいなものを見つけて喜んでいたいなと思います。 みなさまもどうぞお大事に。 #
by notebook_59
| 2023-01-27 10:47
| 布つなぎ
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2022年 12月 30日
今日は12月30日。2022年も残り一日となりました。 今朝はおだやかな雪景色。 軽い雪が降っていますが、このぐらいならありがたい年の瀬です。 今冬の雪は、降り始めに驚かされました。 豪雪地の奥会津でも、初雪でこれだけの大雪になったのは ここに生まれ育った夫も記憶にないと言います。 義母は年が明ければ97歳。 夏に続けて2回入院しましたが、なんとか元気にお正月を迎えられます。 「新しい歳なんかもらわなくていい。ハシゴ(階段)の下サ隠れてんべ」 と笑わせてくれますが、ご本人は大真面目。 この一年でまた一気に老いが加速した感じがします。 今年はこれまでとは違った一年でした。 少々恥ずかしいですが、自分なりに、よく勉強したなあと思います。 放課後児童支援員資格認定研修というものを受け、放課後子どもクラブの仕事に意欲が高まりました。 これまでこの研修を受ける条件に満たなかったので、今年は受けることができて嬉しかったのです。 子どもの発達段階や障がいのある子への対応など、とても勉強になりました。 知は力なり。少しでも子どもたちの成長の支えになれたらいいなと思います。 新しいことでは、地元の小学校、中学校、公民館の図書室の仕事を始めました。 学校は週に一日、それぞれ2時間だけの補助業務ですが 小学校では1年生への読み聞かせ、中学校ではブックトークを体験しました。 ブックトークは、あるテーマに沿った本を何冊か紹介するものですが 選書、下読み、時間内に伝えられるか声を出して練習し、とても緊張して臨みます。 1回目のテーマは「中学生が主人公」にしました。 森絵都『カラフル』、梨木香歩『西の魔女が死んだ』、重松清『セッちゃん』など。 2回目は12月だったので「クリスマス」がテーマ。 『サンタクロースっているんでしょうか?』、ケストナー『飛ぶ教室』、絵本『戦争をやめた人たち』、 それにディケンズ『クリスマス・キャロル』、オー・ヘンリー『賢者の贈り物』など古典も。 来月には先生から「国際理解について学んでいるのでこの本を」と 下の本を指定されたので、このお休み中に読んでいます。 このほかに『ぼくは13歳、職業、兵士』『わたしは13歳、学校に行けずに花嫁になる』など。 中学生にわかりやすく書かれたものですが、内容は深刻。 改めて知ることも多く、読んでよかったと思います。 中学生に紹介したい本を読むことは、久しぶりに読書の楽しみを味わう時間となりました。 地元の学校の図書室はとても小さくて、蔵書も少なく、古いものも多いのです。 小学校に小川未明の『港に着いた黒んぼ』を見つけたときはぎょっとしました。 有名な作家による児童文学ではありますが、今では使わない言葉が多用されていて 今の小学校の図書室に置かれているのはどうなんだろうと疑問を感じました。 ほかにもいろいろな面で司書ではない私が関わるには荷が重いと悩んでいたとき 中学校でのブックトークを提案されたのはよい機会でした。 素人ながら、自分が好きで今も大切に思っている本を、子どもたちに紹介するのは楽しい。 ブックトークのあと、「これ借りていいですか」「どこで売ってますか」と子どもたちに聞かれたり 彼らの好きな本のことを聞くのも嬉しい。 でも、専門の司書が配置されることが本来は望ましいし必要なことなのです。 こんな場面でも、都市部の大きな学校と、過疎の進む山村の学校ではずいぶん差があると感じます。 短歌は、始めて4年になりました。 この一年、もっとも力を入れたのは短歌だったかもしれません。 結社誌に毎月十首を送ることは今年も続けられたし 初めて連作にも挑戦しました。 なかでも月に一度、オンラインで短歌講座を受講したことがとてもよかったのです。 生活の中に、短歌を楽しく真剣に学ぶ時間をもつことがよい刺激になりました。 色々な講座や歌会に参加することが難しい地方にいると オンラインで勉強できるのは本当にありがたいことです。 講師の歌人、松村正直氏が 「自分の歌を拙いなんていうことないですよ。出来の悪い子を愛おしむように、自分の歌を可愛がってやること」 と言ってくださいました。 また「他者からの評価をあてにしていると行き詰まる」ということも、何度も言われました。 なので私もその日から、「拙歌」「愚歌」などということをやめました。 今年の自選五首です。 棒鱈を煮る一日は棒鱈のことのみ思う縄文のごと 『角川歌壇』4月号 ゆっくりと母のはなしのオルゴオルひとめぐりまたひとめぐり聴く 結社誌『塔』4月号 制服の膝をそろえておにぎりを食む子のありて朝の単線 『塔』7月号 うすかわのかすかなねばり憎みつつ大蒜を剥く晩夏にひとり 『塔』12月号 ソロチカの胸に咲く薔薇あかあかと焦土となりし祖国を照らす 『塔』12月号 ツイッターを始めてから、短歌関連の情報がいち早く入るようになり 歌集をいただいたり、オンラインの歌会に参加したり、以前より短歌が身近になったような気がします。 さて、今、もち米を蒸かしています。餅を搗いて、お供え餅を丸めて 明日は年取り。 あっという間の一年間。 でも、こうして振り返ってみると、一日、一日、生きてきたんだなあと思うのです。 やり場のない気持ちや、悲しいことも苦しいこともたくさんあったけれど それだけではもちろんなくて ちゃんと笑えるときがあったから生きてこられたのだと。 世界では戦争が終らず、日本も今「新しい戦前」かもしれない。 自分の中の苦しみに囚われるとき、すこしでも他を思い勇気を出せる人間に成長したいと思います。 ほったらかしのここにも、お訪ねくださる方々がいて、心より感謝しております。 ありがとうございました。 どうぞよいお年をお迎えください。 #
by notebook_59
| 2022-12-30 14:36
| その他
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